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取材メモ

秋の日本橋オタロードを歩いた。外国の人は二人連れが多くて、パトカーが3台いた

2026-10-11

10月8日の木曜、夕方の4時ごろに日本橋へ行ってきた。大阪のほうの日本橋で、読みは「にっぽんばし」。

前に来たのは真夏だった。あのときと比べると、秋の日本橋は歩きやすさがまるで違う。気候がとてもいい季節で、散策にちょうどいい。同じ街でも季節でこんなに印象が変わるのかと思った。

ここはもともと電気街、いわゆる「でんでんタウン」で、戦後にラジオや無線の部品を扱う店が増えて電気街になった、と大阪市の資料にある。いまはそこに、アニメやゲーム、ホビーの店もずいぶん増えている。オタロードは、そのでんでんタウンのなかでも、オタク向けの店がぎゅっと集まった一帯の通称。堺筋の西側を、並行するように通っている。

この日、いちばん目に入ったのは外国の人の多さだった。しかも男も女も、日本人の標準からするとかなり大柄な人が目立つ。数が多かったというより、目立った、と言うほうが正確かもしれない。

もうひとつ意外だったのは、男女の二人連れが思いのほか多かったこと。

日本のおたくといえば、ひとりで黙々と、あるいは孤独に、というイメージを、自分もどこかで持っていたと思う。ところが通りで目に入ったのは、二人連れだった。デートで来る場所として向こうでは受け取られているのか、それとも単に私が見たのがたまたまそうだったのか。誰かに聞いたわけではないから分からない。ただ「ひとりで来るところ」という先入観は、あの日の日本橋ではまったく役に立たなかった。

ちなみに、この通りは年に一度、歩行者天国になってコスプレイヤーであふれる日がある。日本橋ストリートフェスタ、通称ストフェス。2005年に始まったイベントで、近年は5月の開催が定着してきているらしい。通りそのものが会場になるぶん、ふだんの日本橋とはかなり違う顔になるのだろう。今回見たのは、それとは別の、何の催しもない木曜の夕方の顔だ。

その夕方、ひとつだけ空気の違う場所があった。

通りの一角に、パトカーが3台。警官は5、6人はいたと思う。歩道をほぼ占拠する形で、通り抜けるのに少し苦労した。警官がひとりの人を取り囲んでいて、足元の地面にはトレーが置かれ、持ち物が並べてあった。所持品を確認しているのだと思う。取り囲む側も、取り囲まれている側も表情がこわばって見えて、緊張感がこちらにまで伝わってきた。

そのすぐ脇を通り過ぎていく人たちの顔は、いつもの日本橋のまま平和そのもので、あの一角だけ空気の温度が違っていた。

何があったのかは分からないし、その人がどういう人なのかも、もちろん分からない。ただ、こういう物騒な一面もある街なのだということは、あの場で意識させられた。

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