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ことば

モザイクの根っこは、明治40年の法律だった

2026-10-13

「モザイクって、法律でかけなさいって決まってるんですか?」

これ、ちゃんと答えられる人って、あんまりいないんじゃないかな。私も調べるまでは、なんとなくそういうルールがあるんだと思っていました。

調べたら、そうじゃなかった。


根っこにあるのは、刑法175条。

わいせつな文書や図画なんかを頒布したり、公然と陳列したりしたら罰せられる、という条文で、刑法そのものが公布されたのは明治40年(1907年)です。

おもしろいのは、条文のなかに「わいせつ」が何なのか、書いてないこと。

じゃあ何を基準にしているのかというと、最高裁の判決。1951年(昭和26年)のチャタレー事件で示された、「いたずらに性欲を興奮または刺激させ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの」という、あの有名な言い回しです。

つまり法律には「やっちゃだめ」とだけ書いてあって、どこからがだめかは、判決と、世の中の感覚(社会通念)にまかされている。


そこで出てくるのがモザイクです。

モザイクは「法律で決まった形式」じゃなくて、業界がずっと続けてきた慣行、と理解されているようです。ここを隠しておけば、まあ大丈夫だろう、という長年の暗黙の了解みたいなもの。

ただ、慣行だから安全かというと、そうでもないらしい。どの程度ならわいせつにあたるかは、そのつど社会通念で判断されるので、「モザイクがあれば絶対に合法」とも言い切れないそうです。

(このへんは弁護士さんの解説がいろいろ出ていたので、気になる人はそっちを読んでください。素人が断言していい話じゃなかった)


明治40年の条文と、1951年の判決と、業界の暗黙の了解。

その3つが重なって、いま画面の真ん中に、ぼやけた四角が出ている。

そう考えると、ちょっと不思議な気持ちになります。

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